散るろぐ

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八朔とハーゲンダッツの話

こんちは。チルドです。

僕は果物をむくのが得意なんだ。

男のくせにチマチマと皮をむき、ビロードのような質感をもった果肉を取りだすことに、無常の喜びを感じたりしている。

一心不乱にうす皮をむいていると、あることに気がつくだろう。うす皮をとり除く過程。そこには一定の法則が存在する。それは、口ではとても言い表せない感覚の神秘。繊細なマニュファクチュアの世界へようこそ。


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まず、ヘタの部分をスライスする。そして外皮の曲線にそって縦へ均等に切れ目を入れていく。中身の果肉をスッポリ取り出したら、外皮の中心を真横にカットする。すると写真のような器が出来あがる。あとはその中にうす皮をむいた果肉を一房づつ収めていく─。

フルーツとハーゲンダッツ

世の中には、ハーゲンダッツをうわ言のようにくり返している人がいる。あたかもそれが最上のドルチェかのように錯覚している人々がいる。

ハーゲンダッツがわるいとは言わない。

けれどそれは代替え品でしかない。僕にはあのなめらかな口当たりは、高価な原料を機械へ投入した、無機質な練り製品としか思えないんだ。フレッシュフルーツのもつみずみずしさは無い。

ハーゲンダッツを毎日食べられる子供と、フルーツを毎日食べられる子供。どちらがより幸福かな。

冷凍庫から銀のスプーンとともに差し出されるハーゲンダッツと、手間ひまかけて器に盛られたフレッシュフルーツ。どちらがより豊かだろう。



僕らは、冗長な時間の中で、なにか大切なことを見落としていないだろうか。

そして、あなたが愛するひとに届けるとしたら、フルーツとハーゲンダッツ、どちらを選ぶのだろう。