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小山田浩子著の「工場」を読んだよ

おすすめの本ということで、小山田浩子さんの「工場」を読んだよ。

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いま、こうゆうのが流行ってるのかな。

あんまりだよ。なんかこう、物語りはもっとこう、ハッピーじゃなくても、救いがなきゃダメというか、そのお話し聞かないとダメなの? って思う。

三浦綾子も、たいがいだったけど、あっちは、おばあちゃんの昔ばなしだから聞けたんだよ。どこか他人の歴史だったんだ。

ところが、こっちは最近の出来事。派遣社員、契約社員、非正規雇用、パート労働、人材派遣……。

人間の内面や思ってることを、描き出すのが文学かも知れないけど、あんまりだよ。ひどいよ。地味にダメージ受けたよ。


感想

1,800円の本書は、3つの短編からなっている。カバーもハードだけど、内容はもっとハード。

  • 工場

地味な兄妹が大きな工場で働く物語り。複数の視点が入れ替わる、テレビドラマのような構成になっている。主要な登場人物は三人(兄、妹、苔博士)なのだけど、それぞれの視点が唐突に入れ替わるから、慣れないとストーリーが追えない。

今語られているのは誰なのかを考えて読み進めなきゃならないから、こっちも疲れてくる。そうやって、じわじわと精神的ダメージを与えて、こっちがふらふらになったところで、最後の一撃をもってくる。みぞおちに重いパンチをもらって、立てなくなる。

  • ディスカス忌

熱帯魚好きの友人に子供が生まれたからお祝いに行く話なのだけど、闇が深すぎてこわい。熱帯魚のエサの小エビが生々しくて、もう、うんざり。

  • いこぼれのむし

こちらは、従業員3,000人くらいの会社の、とある部署の人間関係のお話し。仕事のできないブサイクで暗い正社員の女の子が、会社を辞めるまでの出来事を、丁寧に書き出している。

寝ている間に、体中をかきむしって、爪にはさまった垢をしゃぶりまくるなんて描写、必要なのかな。もうヤダァ…。


まとめ

せめて、登場人物の女の子の容姿を、もうちょっと可愛く書く気遣いがあったらいいのに、描写を読むかぎり、微妙に可愛くない。それがすべてを絶望的に悲しくさせているんだよ。

この本のテーマは、仕事だったり、人間関係だと思うから、一か所だけ引用してみる。仕事を辞めちゃった女の子の上司の女性の考え。

職場を仕事をしてその代わりに賃金を貰う場所、だと思っている者も多いが、それだけでなく職場は、もう一つの家族である。家族らしくいろいろさらけ出し、迷惑をかけたりかけられたり、イジったりイジられたり、祝ったり祝われたりして成熟していくファミリーである。それを理解せず、ぶすっとして仕事だけしていればよいと思っている人間は、私の側にいて欲しくない。

ファミリーねぇ…。一面では真実であると思うのだけど、割り切ってドライにやりたい、という需要の方が、今は多そう。

そもそも仕事ってなんだろう。

僕は仕事を分業という意識でやっているので、無駄にダラダラしたり、特別な信念を持ちたくもない。

その中で、自分の主観を押し出すのは経営者だけでいいと思う。従業員はそれを理解して、その価値観に添うカタチで働けばいいんじゃないかな。もちろんファミリー的な方針だって構わない。

要は、それに従わない、従う意志がない者を、きちんと処してくれればいいんだよ。良い悪いではなくて。

だいたい、どこの会社も、創業者はそれができていたのだろうけど、社長が代わって二代目になるとダメになる。強固な仕組みだけ残って中身はダメになってしまう。

と、そーゆのを忘れるための読書なのに。せっかくのお休みが台無しじゃないか。その点で、僕はこの本をオススメできないよ。あまりにも現実的すぎる。

「いーや、私は平気よ」っていう自信があったら挑んでみて。たぶん返り討ちに遭うから。



そんじゃーね