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安田弘之「ちひろ」を読んで搾取の連鎖について考えてみた

今日は、これと言って書くことがないから、漫画の話しでもしようかな。

「ちひろ」という漫画を知ってる?


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僕は知らなかった。ある人からプレゼントしてもらって読んでみたんだよ。内容は、面白いとか、ぜひ読むべきとか、そうゆうのではないのだけど、独特のタッチと世界観のある漫画だった。


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漫画って、絵とセリフ、それから心情描写で表現するアートだと思うのだけど「ちひろ」では、登場人物の内面があまり説明されない。

主人公「ちひろ」の風俗店で働く日常が、淡々と流れていく。そこには、人々のため息と、古くなったアルコールの飽和した景色がある。


夜の匂い

夜の繁華街って、独特の匂いがあるよね。居酒屋や焼き鳥屋、キャバクラは行ったことがないけど、おそらくそんな匂い。

僕の両親は、自営業のスナックを営んでいて、僕はそこで生まれて、10歳まで育った。

1階がお店、2階が住居のそこには、あのアルコールが飽和して、色んな人々の体臭が入り混じった、特有の匂いがした。10年もそんな環境で育ったものだから、たまに夜の繁華街を歩くと、妙に懐かしい気分になる。

その生活は、ある朝とつぜん、母がいなくなって終わってしまったのだけど、僕の体の芯には、あの匂いが染みついて、容易に消えなかった。けっきょく、20歳くらいまでは、その残滓が細胞の隅々にあったように思う。だから、いざ仕事を探そうとすると、無意識に夜の商売を選んでしまいそうになる。

僕がそんな、ナイトジョブに取り込まれなかったのは、あの土地を離れたからだと思う。あのまま、あの店と、あの土地に留まっていたら、今ごろ刑務所か、どこかで野垂れ死にしていたかもしれない。


違う日本が見えている

数日前、大卒と高卒では違う日本が見えている、という記事を読んだ。それは、たしかにその通りだと思う。育った環境によって、格差が広がっているのも、その通りだよね。

でも、その格差とやらは、無くすべきなのかな。いや、無くすのに意味なんてあるのかな。

たとえば風俗、たとえばブラック労働、たとえば無職、たとえば日雇い、たとえば40代独身フリーター。いわゆる、搾取の連鎖の最底辺だとしても、それはある意味、自然ともいえる。

自然界には、弱肉強食という法則があって、その法則は、むしろ、人間という動物の本来の姿で、それをヘタに救済するのは、自然な生態系を壊すことになるんじゃないかな。

戦争で命が失われるような、そんな格差は、無論、防がなければならないけど、学歴や知識、育った環境なんて、放っておいてもいいんじゃないかな。けっきょく誰かが、それを担う必要が生まれてしまうのだから。

総資産が、もう、天文学的な数字になってしまった孫正義氏のような人もいれば、僕のように、スマホゲームをしながら、子孫も残せず朽ちてゆく人間もいる。

だが、それがどうした?


僕は、いったい何を言っているんだ……。


このところ感じている違和感を、うまく言葉にできないでいる。