散るろぐ

こころふるえる感情メディア

マグロ丼に小骨が入っていたとクレームをつけた客と店主のやり取り

今朝、マグロ丼を食べに行った。うちの会社は魚市場に近いから、深夜から早朝まで営業している食堂が何件かある。

マグロ丼屋さんも、その内の一軒で、年配の店主というか、率直に言うと、ヨボヨボの爺ちゃんと、その相方の老夫婦で自営している。

味は、まあまあ美味しい。もっとも、ここら辺で古い魚を出す店なんてないのだけど。

そこで僕は、いつものようにカウンターの隅っこの席で、マグロ丼定食を、よく噛みながら食べていた。

すると、テーブル席の男のひとが「オイッ!」って大きな声を出した。

今日みたいな朝方は、魚市場関係のおっさんや、長距離トラックのドライバーが多くて、その男のひとはトラックっぽい身なりをしていた。

「骨が入っとるやないか!」

僕は、あちゃーと思いながら、やっぱりなと思った。爺ちゃんというか、ここの店主なのだけど、最近、歳のせいか骨のとり方が、非常に甘い。

たまにしか食べに来ない僕でも、だいたい50パーセントくらいの確率で、骨の取り残しがある。爺ちゃん、マグロのアラから身をこさいでいるからね…。

どうなるんかな…、と思って、成り行きを見守っていたら、爺ちゃんがヘラヘラしながら一言「魚だからね…」と。

そりゃそうだけど、笑うのはマズイと思うよ爺ちゃん…。とか僕が思ってたら、案の定、男のひとが怒って「それを取るんがオマエの仕事じゃろうんがらがらがらー!」みたいになって、僕は黙々とマグロ丼を食べていた。

他のお客も、何事もないように食べていて、みんな見事なスルー力を発揮して、お味噌汁を美味しそうにすすっている。中には魚市場の常連さんもいると思うから、いざとなったら助けてあげると思うけど。

怒鳴られて、お爺ちゃんもシュンとしてしまった。相方のお婆ちゃんは、裏に引っ込んで姿が見えない。

するとお爺ちゃんボソっと「骨やらピンセットで取りよったら、この値段で売られんけぇ…」

そうなんだよね。お爺ちゃんの骨取りが雑なのは事実なんだけど、逆に100パーセント取るのも難しい。

そうしてると、周りのお客も男のひとをチラチラ見始めて、アウェー感がでてきて、それ以上コトが大きくはならなかった。

男のひとは、僕より先に席を立ったけど、ちゃんとお会計していった。

これにて一件落着、という所だったね。