散るろぐ

こころふるえる感情メディア

サンドボックス

やるべきことは、積み重なっていくのに、なんにもできない。心がまえに進めなくて立ち止まったままなんだ。くやしい。

今日もいろいろしなきゃならないのに、できなくて、先のばしにする理由を探してる。だからとりあえず、ブログを書いているというわけなんだ。


僕がまだ小さいころ、ウチの近所には、小さな神社があって、そのとなりにブランコと鉄棒のある公園があった。

僕の遊び場は、もっぱらその公園で、黄色のバケツにプラスチックのシャベルをいれて、砂場でお城やトンネルを作っていたんだよ。

神社の裏にある大きな木は、幹を思いきり蹴飛ばしたり、揺らしたりすると、たまにクワガタやカブトムシが落っこちてきた。

だから、夏休みになると、まだ暗いうちに目を覚まして、みんなが来る、ラジオ体操のはじまるもっとまえに行って、そこら中の木を揺さぶっていたんだよ。

夏休みの午前中は、たいてい砂場のところで、ひとりで遊んでいた。ほかの子どもたちは、午前中は宿題の時間で、外で遊んじゃいけなかったんだよ。

ウチの両親は水商売をしていたから、昼間はずっと寝ていて、だから僕はいつでも自由に、好きな時間に遊びにいけた。

ある日の朝、砂場で遊んでいると、僕より小さい男の子がやってきた。そして、僕の領土(砂場)の端のほうで山を作りはじめた。

見たことのない顔で、両親の姿も見当たらなかったから、攻撃して追ぱらおうと思ったけれど、なんだか寂しそうに砂を掘っていたから、見てみぬフリをした。そして、シャベルに砂場に線をひいて言ったんだ。仲間になるのなら、この砂場の半分をやろう。

それからは、よくふたりで砂場で遊んでいた。でも、まだ小さかったから、サッカーとか缶蹴りには入れなかった。

僕は、小学3年生のとき、こっちに引っ越してきたんだけど、引っ越すまえの小学校では、担任の先生が、クラスで送別会をしてくれたりした。

その日の帰り道、砂場の男の子と出会った。ひさしぶりに会って、ちょっと大きくなっていたけれど、相変わらず痩せていた。なんだか寂しそうにしていたから、声をかけたら、近所の悪いやつに帽子を取られたらしい。

とったのは、おなじ学校の6年生のチンピラで、顔は知ってるけど話したことはなくて、あんまり関わりたくないヤツだった。それにしても、こんな小さい子の帽子をとるなんて許せなかった。

だから僕は、取り返して来てやるよって言って、チンピラの家へ行ったんだ。それで、帽子をかえせって言ったら、コレのことか?って感じで、Cのマークを刺繍した、赤いキャプをくるくる回したんだ。

僕は殴ってでも奪い返す気だったけど、チンピラはおまえが舎弟になったら返してやってもいいと言った。僕は、舎弟の意味がわからなくて、舎弟ってなんだって聞いたら、どうやら、なんでも言うことを聞く奴隷になれってことだった。

僕は、わかったって言った。どんな手段でも帽子を取り返すつもりだったから。明日から来いって言うから、わかったって言って、帽子を取り返したんだ。内心、僕は、あした引っ越すからもうこの町にはいないんだ、ざまをみろと思いつつ。

帽子を持ってもどると、けっこう時間がかかったから、もう帰っちゃたかなと思ったら、男の子はまったく同じ場所に、直立不動で立っていて、なんで座ってなかったんだろうと思った。

じゃあね、って言って帰ったけど、あの後どうなったんだろう。僕が帽子を取り返して、なにか解決したんだろうか。未だにわからない。