散るろぐ

ここが僕のアナザースカイ

隠していた心配ごと

ひさしぶりに、彼女のはしゃいでいる顔を見た。

彼女は、僕よりだいぶ年上の69歳。来年には70歳になってしまう。

その彼女、どうも最近、様子がおかしいと思っていたら、8月に受けた健康診断で、腸に異常が見つかっていたらしい。

その後、病院で再検査を受けて、悪性じゃないとわかった。その異常が見つかってから、検査の結果を知るまで、約2ヶ月の猶予があったらしく、その間、ずっと不安を抱えてイライラしていたようだった。

僕は、彼女の変化の理由がわからずに、戸惑っていた。 まるで人が変ったように、ぴりぴりと攻撃的になっていたから。

「おばあちゃんになって性格まで変わっちゃったのかなぁ…」なんて、呑気なことを考えていて、苦労をかけてしまったなと思う。

その病院では、彼女と同じ検査を受けた別の人もいて、そちらは悪性…、ガンだったらしい。

つまり、彼女も、どっちに転んでもおかしくない、紙一重のところだった。検査の結果を聞いた彼女は、しばらく病院の椅子から、立ち上がれなかったと言った。

教えてくれればよかったのに、と思ったけど、しばらく考えて「僕にはなにもできないね…」と言った。

それからというもの、彼女はすっかり元通りになった。喋り方もゆっくりになって、表情も豊かになった。

さっきは、僕のおでこに、果物についていたシールを貼りつけて、いたずらっ子のように笑っていた。

穏やかな寝息をたてて、すやすやと眠る姿は、子供のように小さい。枕で髪がくしゃくしゃになっていたから、手で梳いて整えてあげた。



今週のお題「私の癒やし」