散るろぐ

ここが僕のアナザースカイ

頭の良さそうな文章にダマされる人々

僕のはたらいてる会社は、商店街のお店が、バブル景気でそのまま大きくなったという、典型的なワンマン経営で、良く言えば自由な、悪く言えば無秩序な会社だった。

それが、創業者の社長が急に亡くなって、社長の奥さんが、べつの社長を見つけてきたのだけど、それがかなり問題のある人物だった。

僕は、最初はちゃんと業務を説明していたけど、その社長には、いくら説明しても通じないし、そもそもこっちの話を聞いてないから、もうあきらめていた。

バカではないと思うけれど、自意識過剰だったり、自分を良く見せたいというような、自己顕示欲が強すぎて、下の者の言うことをまったく聞かないんだ。

どうしてそんな人間が、社長になってしまったのか、何度も考えてみたけれど、答えはまだ見つかっていない。

最初に、無秩序な会社と書いたけれど、無秩序なのは亡くなった社長の気分だけで、仕事の目的は、わりとハッキリしていた。

それは、とにかく売ればいい、儲かればいい、ということで、言いかえれば、お金にならないことはしなくてよかった。

だから、細かい伝票の数字や、意味のない会議みたいな物はなくて、シンプルに、商売に集中できるメリットがあった。

ところが、新しい社長は、どうも会社らしいことをしたいらしく、無闇に会議をしたり、細かい就業規則を作ったりしていた。

ふつうの会社は、そうかもしれないけど、とにかく売ればいいという方針で、長年やってきた僕からすると「そこで2時間しゃべって、いくら儲かるの?」という思いが、どうしても払拭できず、モヤモヤした気分で遠くを眺めていた。

そんな雰囲気になってしまった会社で、今度は、報告書を、提出しなければならなくなってしまって、ウンザリしていた。

僕としては、真顔で「この紙っぺらでいくら儲かるん?」としか、言いようがなかったけれど、もう反論する気力もなくて、ため息をつきながらペンをとった。

本当に真面目に書くのなら、問題点と改善点を併記して、現実的な解決方法を書くべきなのだけど、まともに書いても、聞く耳をもっていないことは、すでに学習していたから、なにをどう書けばいいのか悩んでしまった。

だから、けっきょく僕は、脈絡もあいまいで、専門用語をムダに多用した、結論の曖昧な、ただ冗長で、それっぽく見えるインチキな文章を作成した。

もしも僕が社長の立場で、従業員がコレを書いてきたら、たぶん怒ると思う。

ところが、それで万事うまくいった。

なんだか、よく考えているね!、という感じに評価されて、良い雰囲気になった。まさに、ひょうたんから駒だよ。

新しいルールの、コツをつかんだ(๑•̀ㅂ•́)و✧